三雲岳斗「ダンタリアンの書架」

ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫)

ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫)

人ならざるものの叡智を与える「幻書」に惑わされた人々と、彼らに対処する「書架」たる黒衣の少女・ダリアンと相棒のヒューイの旅を描いた短編集。幻想小説風のダークファンタジーです。
主人公のヒューイとダリアンを狂言回しに据えて、「幻書」を手に入れた人間の悲劇を扱った作品が多いのが特徴かな。しょっぱなの「美食礼賛」からかなりアレな話だったのですが、後半になるにつれて普通の話になっていったような。
ベストは第二話の「血統書」です。やっぱりアレな話なのに、なぜかさわやかなラストが目を引きます。