恩田陸「ネクロポリス(上)」

ネクロポリス 上 (朝日文庫)

ネクロポリス 上 (朝日文庫)

年に一度、ヒガンの時期にだけ訪れることを許された聖地「アナザー・ヒル」は、死者がお客さんとして帰ってくる場所である。民俗学を研究するために初めてアナザーヒルを訪れたジュンイチロウ・イトウを待っていたのは、不思議な島の風習と「お客さん」、それと殺人事件だった。みたいな感じ。
ものすごく長い作品の上巻なのですが、恩田陸のこの手の作品の雰囲気はやはりすごいですね。東洋と西洋が交じり合ったような、幻想的で美しいアナザーヒルの描写がまず素晴らしいです。それでいて、真っ当なミステリのような謎を配置していて、それが話を牽引してるのもいいですね。
恩田陸のこういう雰囲気の作品は尻すぼみというかラストが残念なことが多いのがちょっと気になるけど、引き続き下巻を読むよ。
(´-`).。oO(これだけ分厚い本でラストが微妙だったら嫌だなぁ。でも恩田陸だからなぁ・・・)