平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

短編集。ホラーというよりスプッラッターでした。
基本的にジャンクな味わいの作品ばっかりなんだけど、その中に不思議な叙情性が時々現れるのがポイントですね。一番気に入ったのは「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」かな。裏社会っぽい(この辺がまずジャンクw)組織で拷問することを生業とする男と、拷問される娼婦との、血と痛みを通した一瞬のロオマンスと美しくみえるラストシーンが心に残ります。
確かにグロ描写はすごいけど、すごすぎて逆に笑えてきます(この辺もスプラッター)。単純な“痛み”で比較したら甲田学人のほうが上じゃないかな。