桜庭一樹「推定少女」

推定少女 (角川文庫)

推定少女 (角川文庫)

推定少女 (ファミ通文庫)

推定少女 (ファミ通文庫)

ぼくすなわち巣篭カナ15歳は、義父にケガをさせてパトカーから逃げ込た夜の町で不思議な少女と出会った。ぼくは、将来なりたい職業を書くプリントから、これから始まり終わることのない競争から、そして義父から、母親から、逃げることにした。不思議な少女と、彼女が持っていた銃と一緒に。みたいな感じ。
やっぱりこれは傑作だわ。思春期の少女の感じる不安や苛立ち、理由のない憤りを表現するためにあらゆるものが用意されたストーリーは、カナの内面をこれ異常なく際立たせてます。展開やラストに特に理由がないのもこれを表現するためだよね。とにかくどこかに逃げたくて、でもどこにも逃げ場はなくて・・・。そんなあのころの気持ちがよみがえってきます。まあ俺は未だに(ry
ちなみに角川文庫版はちょっと加筆されてます。角川文庫が¥590、ファミ通文庫が¥620なので、高野音彦のイラスト代−桜庭一樹の加筆代=30円です。この値段設定はどうだろう・・・。高野音彦のイラストにはもっと価値があると思うから、個人的にファミ通文庫を支持しますw