長谷敏司「円環少女8 裏切りの天秤」

最後の再演魔道師、きづなを巡り始まった<公館>と神聖騎士団の戦いに、公館を離れた武原仁も否応なく巻き込まれていった。矛盾の土台の上に嘘で塗り固められた仁ときづなの生活は崩れ去り、メイゼルはそこでひとつの答えを出した。ここは地獄。あらゆる矛盾の中で、誰もが答えを探し変わり行く場所。みたいなw
すごかった。たった一人で社会を相手に戦う仁に、きつい現実や繰り返された問いがどんどん襲ってきて、少女たちだけが答えを見つけて変わっていく。行き着くところまで行ったかに見えた仁ときづなの関係が、メイゼルが現れて持ち前の気高い視点を通すことで全く様相が変わるあたりがすごくよかったです。事実はひとつでも、真実は見方によっていくらでもある、みたいな。ここだけだとミステリみたいだなw
あとエレオノールがかっこよすぎでした。神意の正義の前で、完璧に透明だったエレオノールの誓いと決意。誰もが正しくて、誰もが間違いを起こしている<地獄>のような戦いの中で、孤高のメイゼルと神音を奏でる歌姫の強さは輝いてます。それに比べて、仁はちょっとなさけn(ry
まだまだ、仁へのきっつい問いは繰り返されそうですね。