古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)

イヌよ、イヌよ、お前たちはどこにいる?
どこにでも。第二次世界大戦終戦間際の太平洋に、アラスカに、朝鮮半島に、ベトナムに、アフガニスタンに、アメリカに、ソ連に。そして宇宙に。二つのイデオロギーの綱引きに翻弄されながら、世界中に広がっていく。なぜならそれが、お前たちの駆け抜けた二十世紀/戦争の世紀/軍用犬の世紀だからだ。


日本軍の撤退によって終戦間際の無人島に残されて米軍の捕虜となった4頭のイヌ。世界中を駆け抜ける彼らの子孫の物語はたいそうかっこいいです。でもこの作品は、イヌの物語というより20世紀の物語なのでしょう。エネルギーに満ち溢れた小説で、読んでて疲れたよw
個人的に気に入ったのは犬神アヌビスとアイスの二頭ですね。よく訓練された軍用犬もかっこいいけど、野生の獣が持つたくましさを持つイヌのほうが好きです。
(´-`).。oO(でも自分で飼うならジョン平みたいのがいいな)