冲方丁「スプライトシュピーゲルⅣ」「オイレンシュピーゲル肆」

国連都市で行われる戦犯法廷と、そこに立つ囚人と証言者を守るMSS+<炎の妖精>フォイエルスプライト。戦犯法廷を滞りなく執行するために国際空港の警備に当たるMPB+<犬>ケルベロス。国連都市――戦犯法廷をつぶそうとするテロが起き、証言者が次々は殺される/国際空港――ハイジャック事件をきっかけに戦闘機に乗った亡命者たやってくる+それを阻止しようとテロリスト。ひとつの携帯電話でつながれた二つの事件は、やがてひとつの大きな事件になっていって・・・みたいな。
これは凄い!!
ただでさえ厚い本なのに、文章密度をバラバラクランチ文体でzip並に圧縮してるから、読むのにものすごく時間がかかったよ。でも凄かった。二つのシュピーゲルの熱さと疾走感を楽しむには、同時読みが一番いいんじゃないかな。
世界への失望と絶望的な戦況の中で、お互いに信頼を深めながら前に進む/飛び立つ二人の小隊長=鳳+涼月がかっこえかった。鳳の要撃/涼月の突撃を、小隊長/別部隊の隊員という二つの視点で描写するクライマックスはまさに神展開でした。
凄すぎて言葉をなくします。ここまで重い(テーマ的な意味で)ライトノベルはほかにないんじゃないかな。