甲田学人「断章のグリム７ 金の卵をうむめんどり」

断章のグリム〈7〉金の卵をうむめんどり (電撃文庫)

「よくばりな犬」「アリとキリギリス」「金の卵をうむめんどり」をモチーフにした短編集。因果関係の説明は意味不明だったけど、「イソップは童話の＜泡禍＞ほど大きくはならない」、とのことで、蒼衣と雪乃が解決した普通の＜泡禍＞の話だったりします。
電撃ｈｐに掲載されたという「よくばりな犬」と「アリとキリギリス」の二つはあまりに似すぎじゃないですかね。視点人物が恋愛に悩む内気な女子中高生で、いろいろあって＜泡禍＞と関わって・・・てレベルまで抽象化すると全く一緒じゃないかｗ もしかして、こういう層がこの作品のメインの読者だったりするのかな。
話がそれたなｗ えーと、短編だけあってものすごくストレートな話になってます。長編に見られるミスディレクションが全然ないのが少し不満だけど、その分、痛かったり気持ち悪かったりする描写は冴え渡ってて、あまりのアレさに読んでて顔をしかめちゃいます。
恋愛うんぬんは食傷だったけど、グロホラーとしてみると文句なく一級品ですね。