アサウラ「ベン・トー サバの味噌煮290円」

ベン・トー 1 サバの味噌煮290円 (スーパーダッシュ文庫)

ベン・トー 1 サバの味噌煮290円 (スーパーダッシュ文庫)

弊店間際のスーパー、そのお惣菜売り場に楕円型の半額シールを持った店員が近づく。周りに待機した狼たちの目が光る。店員がシールを張り終わり、スタッフルームに入る。その瞬間、誇りと礼節をもって半額弁当を求める狼たちの、激しい戦いが始まった。
これは凄い!
設定だけ見るとバカ小説だけど、自分の信念と誇りを賭けて勝負する「狼」の話がつまらないわけないよね。多分この話、半額弁当だからバカ小説とされてるけど、ネタを選べば*1相当カッコイイ話になったと思うよ。そしてそんな話を、シュールなギャグを散りばめつつ、熱い描写そのものをネタへを転化して強引にコメディにする。その結果、くだらない話なのに意味不明な熱さとエネルギーを持つ、ただのバカ小説ではない不思議な小説が出来たのでしょう。
こういう話を読むと微妙に、というか間違いなくダサい二つ名がかっこよく思えてしまうから不思議だw

*1:格闘技、ギャンブルあたりがよさげ