三雲岳斗「旧宮殿にて」

旧宮殿にて  15世紀、ミラノ、レオナルドの愉悦 (光文社文庫)

旧宮殿にて 15世紀、ミラノ、レオナルドの愉悦 (光文社文庫)

万物の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが、ミラノ宰相ルドヴィゴと若くして高い教養を持つ才女チッチリアの持ち込む謎を解くミステリ。短篇集です。レオナルドとルドヴィゴ、チッチリアの掛け合いが楽しい作品でした。でもミステリとしてみるとちょっと小粒かな。「聖遺の天使」って作品の続編に当たるらしいけど読んでないです。読まなきゃw
トリック自体はありがちながらラストで美しい風景を見せる「窓のない塔から見る景色」、ロジックのみで容疑者を絞るシーンの緊張感が素晴らしい「二つの鍵」の二作が気に入りました。ベストは「二つの鍵」。
これだけだとチッチリアの立ち居地なんかがよくわからなかったりするので、やっぱり「聖遺の天使」から読むべきなのでしょう。