久住四季「ミステリクロノ2」

ミステリクロノ〈2〉 (電撃文庫)

ミステリクロノ〈2〉 (電撃文庫)

ここしばらく登校拒否状態の同級生がいることを夕凪に知らされ、慧は武臣や真里亜とともにその同級生を訪ねた。そこで慧たちは件の同級生、秋永がここ半年の記憶を失っていることに気づき、“時間欠落”のクロノグラフメメントを探すことに。みたいな感じ。
失った記憶をめぐる物語ではあるものの、記憶そのものを探す話じゃなくて「記憶をなくす道具」を探す物語だったりします。つまりは、誰がそれを持っていてなぜ秋永の記憶をなくすことに使ったのか、というのが謎の焦点だったりします。
本作でもクロノグラフの物語的な機能は便利な道具にすぎないのですが、ミステリ的には前作よりはるかにカッチリしてると思います。慧の推理にはかなり突飛なところがあるのですが、きちんと読者に与えられた条件から導くことが出来る内容だし、筋も通ってる。後味悪いエピローグもよかった。
本家チョーモンインを読んだ直後じゃなければもっと絶賛してただろうねw