大西科学「ジョン平とぼくときみと」

短篇集です。重が主人公の「ジョン平と一つの指輪」「ジョン平と地下室の幽霊」、オーランジェと旅をする三葉を描いた「雨の日の三葉は」、寧先生が酔っ払って暴れるだけの話(w「寧先生と返ってきた指輪」、図書部の地味な女の子の視点で文化祭を描く「クスクスは夕日を浴びて」の六編収録。
未処理の伏線があったり、結末が投げっぱなしだったりする話がいくつかあるのが気になったけど、全編を通してほのぼのした雰囲気が素敵なジョン平らしい短篇集でした。そもそも俺は重の、理系ならではのマイナス思考に他人事じゃないくらい感情移入してるから*1、このシリーズはデフォで評価高いんですよ。本作でも、化学室で青春を後ろ向きに浪費してたり、学園祭でがんばって実験して雨弓さんのデレ行為にうろたえたり、フラグの潰しっぷりが他人事じゃ(ry
重が地味に活躍する「ジョン平と一つの指輪」、重に地味にフラグが立つ「クスクスは夕日を浴びて」の二つが特に気に入りました。地味だし、理系の読書ヲタという市場が狭いから知名度はまったくない作品だけど、俺は凄く好きなんだよ。
文化祭で重がやってた実験がちょっと面白そうw

*1:俺はもうちょっと捻くれたガキだったけどw>今もなw