西澤保彦「方舟は冬の国へ」

方舟は冬の国へ (光文社文庫)

方舟は冬の国へ (光文社文庫)

ハローワークからの帰り道に、十和人つなしかずとは突然声をかけてきた男に不思議な依頼を受ける。いろいろあって和人は、人里はなれた山奥の別荘で、“末房信明”として家族ごっこを演じることになった。同じように連れてこられた妻役の“栄子”と娘役の少女“玲衣奈”と一緒に。
西澤保彦でこの設定だと捻くれたミステリを想像しちゃうけど、“信明”と“栄子”の仲と家族の絆を書いた御伽噺メルヘンでした。確かにらしくないけど、ミステリ界隈じゃ右に出る人がいないほどに人間の内面を*1書ける人だけに、登場人物の内面描写も丁寧で大人のためのいいファンタジーになってると思います。いい話でしたw
この人の書く“いい話”は久々に読んだよwww

*1:黒いところまでw