五十嵐貴久「Fake」

Fake (幻冬舎文庫)

Fake (幻冬舎文庫)

興信所の調査員をする俺の元に、芸術のセンスはあるけど学力は全く無い浪人生のカンニングをする依頼が舞い込んだ。センター試験を舞台にしたカンニング作戦は完璧なはずだった。俺たちははめられていたのだ。そして半年後、俺を含む当時の関係者は復讐のために10億円のかかったポーカー勝負に出る。みたいな。
一度煮え湯を飲まされた相手に頭脳戦で復讐する、というコンゲームの文法に忠実に乗っかった作品で安心して楽しめました。でもどうせならギャンブルそのもので上回って欲しかったかな。まあ、これはコンゲーム小説でギャンブル小説ではないからいいのだろうけど(どちらかというとギャンブル小説のほうが好きだけど)。とりあえず楡周平の同名小説よりはぜんぜん面白かったと思いますw
主人公を欺く理由が他に無かったのかもしれないけど、ラストの取って付けたような加奈とのやり取りは蛇足なのでは。