古橋秀之「冬の巨人」

冬の巨人 (徳間デュアル文庫)

冬の巨人 (徳間デュアル文庫)

ディエーニン教授の助手として、ミールの研究をするオーリャ。ミールは世界であり、街であり、雪の降り続ける極寒の地で歩を進める巨大な人である。研究の一環でオーリャは気球に乗り空に昇って、雲の上に出た。見渡す限りの白く輝く雲、見たこともない青い空、まばゆい光を降り注ぐ太陽。その輝かしい空間で、オーリャは一人の少女と出会った。
(・∀・)イイ!
低い雲と止まない雪の中を、七昼夜ごとに一歩ずつ進む巨人。このどこまでも灰色で閉塞を感じさせる世界設定がまず魅力的です。明らかに減っていく巨人内の熱エネルギー、そして・・・という物語後半の盛り上がりもよかった。
鮮やかな色彩に彩られたラストシーンでは魂を揺さぶられました。これは凄い。
紛れもない傑作だと思います。