甲田学人「断章のグリム4 人魚姫(下)」

断章のグリム〈4〉人魚姫(下) (電撃文庫)

断章のグリム〈4〉人魚姫(下) (電撃文庫)

周囲に拡がる静寂の中に、不意に電話のベルが鳴り響いた。無為に、虚ろに、鳴り響く電話の音。出るもののいない電話。その電話を取るべき住人の気配はなく、周囲には、血と、腐った磯と、石鹸の混じったような悪臭だけが漂っていた。かくして、悪夢はさらに、続く。
グロ+伝記ホラー。しかし、これは・・・。
作品の質自体は物凄く高いです。登場人物がモチーフとなる物語のどの配役を担うのか?を考える話として「“文学少女”」シリーズと同じような構成を持った作品だといえるのですが、方向性に違いがありすぎですw 蒼衣によるその推理の過程も面白いのですが、神狩屋の過去話である志弦さんのエピソードが秀逸でした。・・・グロ過ぎだとも思うけどな('A`)。全ての悲劇が愛情ゆえのもので、まさしく“悪夢”としか言いようのない世界が広がってます。面白かったっすよ('A`)。
この本を読んでからカレーを食べる機会があったのですが、リアルで吐きそうになったということは追記しておこうと思います('A`)。