冲方丁「スプライトシュピーゲル1」「オイレンシュピーゲル1」

オーストリアのミリオポリス――かつてウィーンと呼ばれた都市。人種と宗教が入り乱れ、テロが頻発する都市で、機械化された体を持ちテロに対抗する少女たちがいた。
輝き/踊るように空を翔る3本のライン――公安機動隊MSS所属の要撃小隊<炎の妖精フォイエルスプライト>。アゲハ――気品に満ちた紫の目ディープパープル=左目に走った海賊傷/艶めくロングヘアー×ウェーブ。年長者の貫禄漂う15歳――微笑=芯から上品に。ツバメ――鮮烈な蒼い目スカイブルー/鋭角的ツインテール。可憐な唇にロリポップを咥え、ガリガリ齧る。ヒビナ――淡い琥珀の目アンバーライト/金髪のショートヘアー。小さな肩をすくめて自己閉鎖中――両耳にヘッドホン/腰に旧型のipod=大音量。これは難行を運命付けられ、また自ら選んだ者たちの記憶――妖精たちの物語スプライトシュピーゲル
憲兵大隊MPB所属の遊撃小隊<ケルベロス>。黒犬シュバルツ涼月スズツキ――愛らしさと優雅独尊の黒いトイプードルの風情。ジッポライター=A.S.A.Pアズ・スーン・アズ・ポシブルの刻印付き――カチリと閉めて紫煙を吐き出す。紅犬ロッター=陽炎。バチン――弾けたガムを口に戻し、伏せを命じられた紅いドーベルマンのようにライフルを構える。白犬ヴァイス=夕霧――優雅で軽快なマルチーズの風情=装甲車の上で楽しそうに歌う。MPBからの無線通信いぬぶえを待つ――タバコを吹かし/ガムを噛み/歌いながら。過酷な現実の中をしたたかに生きる死に至る悪ふざけオイレンシュピーゲル
ここから感想/文体は継続。
冲方丁の仕掛ける二つの悪ふざけ=オイレンシュピーゲルスプライトシュピーゲル/同一の舞台&時間――同時読み。ページを開くと飛び込んでくる雑多な記号/当初感じた違和感――慣れでザクザク読めてむしろ快適。「スプライトシュピーゲル」のほうが好き――おにゃのこは上品なほうがいいからw/「オイレンシュピーゲル」=まだ顔見世とキャラ紹介という印象。個人的な意見=「シティ・オブ・フェアリーテール」がベスト/これまで展開した類型的ライトノベルの作法を逆手に取った作劇――キュートな分だけより悪趣味でグロテスク≠悪い意味。空を翔る三本のライン――その美しいイメージも(・∀・)イイ!。作中で僅かに存在する二つの物語シュピーゲルの交錯/同時進行で読んでよかった。
たぶんまたうぶちんが失踪&嘔吐のコンボを決めるだろうという予想/それでも続きに期待。
この文章を書いた時間≒文庫一冊読む時間。僅かに後悔/多分もうしない=次は普通に書くw