細音啓「イヴは夜明けに微笑んで」

名詠式なる召還術を教える学校に既存の名詠式にない夜色名詠式を使う転校生・ネイトがやってきた。名詠士になりたいわけでもなくなんとなくハイスクールに通っていたクレエールは、明確な意思を持って名詠式を勉強するネイトに興味を持ち、競演会までなんとなく一緒に練習することになった。
透明感のある世界観と丁寧な描写で人気が出るのも分かるのですが、ちょっと引っかかる部分いくつかありました。名詠式ってこの世界でどういう存在なんですかね?学術的な研究の対象か技術的な練習の対象だと思うのですが、どうにもどっちつかずな印象があります。あと、後半の魔法バトルが唐突でご都合主義に過ぎるような気がします。競演会が終わるまではマンセーする気まんまんだったのになぁ。
文句ばっか書いたけど、作者の真面目な人柄が伝わってくるし透明感のある雰囲気は悪くないので、もうちょっと様子を見たい作品ですね。
どうでもいいけど、SF要素の全く入らない魔法と完全な異世界ファンタジーを読むこと自体が物凄く久しぶりでしたw