森博嗣「ナ・バ・テア」

ナ・バ・テア (中公文庫)

ナ・バ・テア (中公文庫)

でも、僕が撃つ飛行機には、ああゆう人種は一人も乗っていない。みんな子供だ。みんなきっといいやつなんだ。嫌らしくもなくて、汚らわしくもなくて。だからこそ、空まで上がってこられる。飛行機とともに墜ちていくことは、酔いつぶれて地面で野垂れ死ぬよりも、ずっと名誉なことだ。きっと、そう……。全然違う。

草薙水素がエースパイロットだった時代に、ティーチャや笹倉、仲間との交流の中での悩みをメインに据えた作品でした。たいして交流してないけどw 時系列的には「スカイ・クロラ」より前だけど、順番に読んだほうがよさげです。
散文的な文章は共通ながら、「スカイ・クロラ」よりかなり分かりやすい話になってます。やたらと達観したカンナミと内向的な草薙水素の違いも分かりやすさに繋がってるのかな。個人的には、大人にならない子供*1と大人の対比が面白いと思うけど、それがメインじゃなさそうですね。専門用語連発の空中戦描写が正直ぜんぜん分からないのですが(w、戦闘機から見る空の描写が物凄く綺麗で素晴らしいです。独特の雰囲気を持った文章もいい。
続編も近いうちに読みます。