甲田学人「断章のグリム3 人魚姫(上)」

深夜の日本家屋が湛える闇と静寂。それはそこに住む老女にとって慣れ親しんだものだった。深夜の洗面台に立ち、老女は掌を洗い始める。ふと後ろに気配を感じて止めていた手洗いを再開した。泡にまみれた両手を動かして、両手の表面を泡でぬぐった。瞬間、それまでとは違う異様な感触が掌に伝わって・・・。かくして、悪夢はさらなる<童話>の形で浮かび上がる。
うわああぁぁぁぁ(AA略
のっけからグロくて痛い描写が炸裂しててどうしようかと思ったよ。手がー、手がむずむずするよー(;´Д`)。
三作目は、神狩屋の話でした。ストーリー的なものへの言及は下巻を読んでからにするけど、”中に何かがいるかもしれない不気味な闇と雰囲気”の描写が相変わらず見事でした。あるいは、”これから何かが起こる”という間の描写が。
蒼衣と神狩屋による事件全容の推理がきちんと行われるかを気にしつつ、下巻を待つことにします。