森博嗣「スカイ・クロラ」

スカイ・クロラ (中公文庫)

仕事も女も、友人も生活も、飛行機もエンジンも、生きている間にする行為は何もかもすべて、退屈しのぎなのだ。
死ぬまで、なんとか、凌ぐしかない。
どうしても、それが出来ないものは、諦めて死ぬしかないのだ。
それは、大人も子供も、きっと同じ。

僕はまだ子供で、戦闘機に乗って人を殺す。飛行機に乗って空を飛ぶことを仕事にするなんて、知に足がついた大人でない証拠だ。上司の草薙水素クサナギスイトに見送られ、僕は今日も仲間たちとともに退屈な戦闘に出かける。
かなり良かった。淡々とした平易な文章で日常も戦闘も描かれるのですが、僕にとって戦闘も退屈な日常の一部になっているという事実が上手く表現されてます。森博嗣のミステリィ*1は俺にゃ合わなかったけど、ミステリじゃないこのシリーズは楽しめそうですね。”僕”にも自然に感情移入できるしｗ
飛行機のエンジンと高度による気圧変化をめぐる薀蓄が興味深かったです。

*1:ィが大事らしいｗ