歌野晶午「世界の終わり、あるいは始まり」

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)

イマイチでした。
近所の子が誘拐され殺されようと、それが連続誘拐事件になろうと、私の家庭とは無関係だと思っていた。誘拐事件は所詮他人の不幸でしかなく、私の家庭の平和を脅かすものではない、と。はなはだしい勘違いだった。ふとしたことを切欠に、私は小学六年になる息子の雄介が誘拐事件に関与しているらしい証拠を見つけてしまった。
そんな感じに、息子が誘拐事件の犯人なのでは?と悩む父親の独白で物語りは進行します。悩んで、悩んで、悪い想像は留まるところを知らず、悩んで、また悩んで・・・。というのがラストまで延々と繰り返されます。早い話が夢オチの連続なのですが、2回目以降ははウンザリしたよ。それでいて、全てを放り投げてなかったことにしましょうじゃ、ダメ出しの一つもしたくななりますよ。きちんとした真相は用意しておいて欲しいです。ここまでネタバレ。
どうでもいいけど、作中で語られるパンドラの箱の話は小学六年なら知ってて当然の知識なのでは?