加納朋子「レインレイン・ボウ」

レインレイン・ボウ (集英社文庫)

レインレイン・ボウ (集英社文庫)

専業主婦の渡辺美久が一人で昼食の準備をしていると、高校のソフトボール部の仲間、牧知寿子が死んだことを知らせる電話がかかってきた。高校卒業から七年。知寿子の通夜で再会したかつての仲間はみんなそれぞれ綺麗になっていて、悩みを抱えながらも前向きに生きていた。
虹を構成する七色をテーマにして、高校のソフトボール部の仲間の現在を描いた連作短編。いつものようにミステリとしては小粒ですが小説として物凄く上手いです。知寿子の親友に重要な意味を持たせつつ短編として描写しないことで7つの短編に一貫した謎を持たせてるんですね。これで数が合ったw
前向きで力強い女性たちの生き方に励まされる人も多いでしょう。「コッペリア」が変化球だったこともあってか、久々にど直球な加納朋子作品を読んだ気がします。
「月曜日の水玉模様」の片桐陶子も出てます。