大西科学「ジョン平とぼくと」

ジョン平とぼくと (GA文庫)

ジョン平とぼくと (GA文庫)

この世界には魔法が普通に存在していて、街を行く人々もみな使い魔を連れてたりする。でも、ぼくは魔法が苦手なただの高校生で、ぼくの使い魔であるジョン平も食事と睡眠と散歩しか興味がないようなゆるい犬だ。魔法実技の試験に向けて幼馴染の鈴音と練習してるときも、化学室で個人的な実験の準備をしてるときも、ぼくの横で長くなって「しげる、ごはん、たべたい」なんて言ってるジョン平の頭をなでてやるんだ。
(・∀・)イイ!
ぬるくてゆるい空気を感じさせる文章もいいし、丁寧に考察された魔法の設定も魅力的です。そして何より、主人公の重(しげる)のダメさが素晴らしすぎます。終盤での活躍を見るに、能力自体は高いはずだけどアプリオリにダメ、みたいなw 解説で小川一水が言ってるけど理系的ダメさなんですよね。ダメの方向性(だけ)が理系な俺は物凄く感情移入しちゃいますw
ゆるい日常だけじゃなくて、その中のちょっとした重大事件もきちんと書いてるのもいい感じ。独特の”ゆるさ”を受け入れられればどんな人にもお薦めできる作品だと思います。
続編では重の成長物語みたいになってほしいですね(;゚ー゚)。