恩田陸「夜のピクニック」

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

田舎の新学校に代々伝わる行事・歩行祭。一昼夜かけて80キロの道をただ歩くだけの、多大なる疲労と忘れがたい思い出をもたらすであろう高校生活最後のイベントに、甲田貴子は小さな賭けとともに参加していた。
修学旅行の夜のような、浮ついた、普段と違う雰囲気で、悩みや思いを語り合うだけの小説なんですが、物凄く良かった。「みんなで夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろうね」という一言に全てが表れてるような気がします。
どちらかというと大人が懐かしむための小説という気がしますが、三人称で主人公から距離を取ってるからですかね。個人的には一人称で作者と主人公の距離が近い青春小説のほうが好きだけど。
夜限定のハイテンションキャラ・高見光一郎が物凄く気に入りました。素晴らしいキャラだw