矢崎存美「神様が用意してくれた場所」

神様が用意してくれた場所 (GA文庫)

神様が用意してくれた場所 (GA文庫)

身の回りで起こる不思議な出来事にうんざりしたあたし、池澤香絵は、高校を卒業するとすぐに田舎を飛び出して東京で探偵事務所のバイトを始めた。誰もいない事務所で留守番をしていたらいなくなった主人を探して欲しいという女性がやってきた。「主人はないはずの道を歩いて消えてしまったんです」問題の道は何の変哲もないT字路に見えたが、突然立ち込めた霧とともにそれはなぜか十字路になっていた・・・。
香絵の遭遇する不思議な事件を扱った連作短編。幻想的で不思議な出来事と作者の文章力に起因する暖かい雰囲気が印象的でした。香絵が不思議な出来事に対峙できるようになる、一種の成長物語になってるものいいですね。総じて上品な作品だと思います。
地味だけどいい作品でした。