風見周「殺×愛0」

殺×愛 0 ―きるらぶ ZERO― (富士見ファンタジア文庫)

殺×愛 0 ―きるらぶ ZERO― (富士見ファンタジア文庫)

非モテ作家でググったら一番最初に出てくる風見周出世作。今更読みました。この人も大凹友数本田透と同じく、オタ・開き直りな作風の非モテ作家ですね。<<世界滅亡>>が始まり<<天使>>が攻めてくるようになったこの世界で、僕は不死身になってしまった体で<<天使>>と戦っていた。これは僕のエゴで、僕は高校を卒業する日に対天使兵器の彼女に殺されるために、日常を守ってるだけなんだ。
殺すために恋をして×死ぬために愛し合う――これはそんな風に、世界を救おうとする恋物語。だそうです。
物凄い勢いでキモイ系ですね。世界>>彼女>>>>僕、みたいな。僕が愛する人が僕のことを殺さないと世界は救われない、という設定はエグくていいですね。いかにも非モテの発想w とはいえ、その設定とは関係ない序盤のつまらなさは特筆すべきかと。文章はまあ好き嫌いだとしても、ダメ・苦悩系の非モテ作家な森見登美彦と比べたら単純な上手さに雲泥の差があると思います。
非モテの怨念めいた厭世観はいい感じなので、次巻以降の展開で大傑作か大駄作のどちらかになるのでしょう。願わくば逆鱗ではなく琴線に触れて欲しいものです。