東野圭吾「殺人の門」

殺人の門 (角川文庫)

殺人の門 (角川文庫)

主人公と小学校時代からの腐れ縁な倉持修との因縁の話。人間関係に不器用で喪男ぽい主人公が、口先がうまい天性の詐欺師な倉持修に騙され奪われ利用され、何度も殺そうと思いながら最後の一歩が踏み出せずにずるずると何十年も続く、二人の歪んだ関係を書いた作品です。
これはミステリじゃないね。非モテの黒いオーラが出まくった、(狭義の)キモイ系小説、非モテ文学だと思います。倉持修に何度も騙されるのは正直バカだと思うけど、主人公が女性に騙される件(くだり、と読む)は笑うに笑えません('A`)。好きな女の子をことごとく倉持修に掻っ攫われるのも笑うに笑えません('A`)。ここまで、実は微妙に褒めてますw
とはいえ、シナリオに関してはかなり思うところはあります。主人公が倉持修と、あるいは他の人と偶然会うことをストーリーが動くきっかけとして多用しているのですが、いくらなんでも偶然性に頼りすぎだと思いますよ。
東野圭吾にしては珍しく、読んだ人によって評価が分かれそうな作品ですが、俺は気が滅入りましたw