甲田学人「断章のグリムⅡ ヘンゼルとグレーテル」

雪乃のクラスの委員長姫沢遥火は以前から駐車場が苦手だった。不思議と周囲に誰もいない朝の通学路、そこにある駐車場を緊張しながら通り過ぎた遥火は、背後に冷たい空気を感じて振り返ってしまう。そこで遥火が見たものは・・・。かくして、悪夢は再び<童話>の形で浮かび上がる。
前作が蒼衣の話とするなら、本作は雪乃の話になります。
手堅いとは思うけど前作のほうが惹かれるものがあったかな。やっぱりグロ描写に痛みが伴ってないのがマイナスですね。言われてみればたしかに、前作はグロというより圧倒的な痛みの描写(こそ)が嫌悪感を抱かせてたわけで、痛みと切り離されたグロ描写には特に思うところはありませんでした。「ヘンゼルとグレーテル」を人食いの話とする解釈と薀蓄は面白かったです。
それにしても、(ちょっと病んだ)中高生あたりに好かれそうな作風ですねw 大絶賛はしかねるけど、本当に手堅い作品だと思います。