柏原麻実「宙のまにまに」1巻

宙のまにまに 1 (アフタヌーンKC)

宙のまにまに 1 (アフタヌーンKC)

転校を繰り返した末に、高校入学を期にかつて過した町に帰ってきた大八木朔はこの町にトラウマがあった。入学して早々、トラウマの元凶、幼き日の朔を連れまわした幼馴染の美星は朔に天文部に入部させられて・・・。誰にも目立たずに静かに本を読んで過すという朔の理想の高校生活は、一日で終わった。
作者が天文学、というか星が好きだってのは物凄くわかるけど、この設定でやるなら主人公の内面描写が全然甘いような気がします。クラスの女の子に密かに人気があるクールなメガネくん*1なんていう多くの男には感情移入しにくい主人公にしたのがまずいのでは。キョンや奉太郎を例に出すまでもなく、この設定の主人公は平凡なのが必要条件だと思いますよ。
朔よりも姫に注目して読んだほうが(個人的に)楽しめるんですよね。いろんな意味で、女性作家の初単行本という感じがします。

*1:おそらく作者の趣味でしょう