機本伸司「神様のパズル」
- 作者: 機本伸司
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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日記形式を採用したことを含めて、テーマを見せるための小説としての技法やストーリー展開は素晴らしいのですが、作者がそのテーマに対して距離を置いてそうですね。とか思ってたら解説読んで納得、機本伸司、今年で50歳だそうで。たぶん作者にとって「あの頃悩んでた自分」は完全に相対化されてるのでしょう。そこから生じるテーマと主人公に対する距離が、作者が今も悩んでそうな(wライトノベル周辺の青春小説との最大の違いだと思います。どっちがいいとかそういう話じゃないよ?
宇宙が作れるか?をディベートするゼミの様子もリアリティあったし、それによって物理学の発想や考え方を提示するというのはいいアイデアですね。