芦奈野ひとし「ヨコハマ買出し紀行」14巻

ヨコハマ買い出し紀行 (14) (アフタヌーンKC (1176))

ヨコハマ買い出し紀行 (14) (アフタヌーンKC (1176))

完結。
とりとめのない話を積み重ねてゆっくり過す時の大切さを書きながら、同時に時間の流れを強烈に意識させる。この点に関して、本作はどちらかが欠けてももう片方が引き立たない、不可分な命題として作中で語られるんですよ。どういう風に過そうと、時の流れは止まることはなくて、だからこそ止まっているかのような時間を大切にしよう、みたいな感じで。今思ったけど、前者は微分した結果の導関数でしかないんですね。
時はうつろい、ぼくらもまたその中でうつろうのみ*1。この事をここまで読者に意識させる漫画は他にないと思います。

*1:Tempora mutantur, et nos mutamur in illis. ラテン語の格言