石持浅海「月の扉」

月の扉 (光文社文庫)

月の扉 (光文社文庫)

自閉気味な子供を回復させる”キャンプ”の師匠が無実の罪で逮捕された。七月十六日の午後十時になんとしても師匠とともに居たい聡美、柿崎、真壁の3人は、那覇空港でハイジャック事件を起こした。ところが、ハイジャック中の飛行機のトイレで乗客の一人が死んでいて・・・。みたいな話。
ハイジャックの緊張感と降って沸いた変死体の謎を軸に、3人の目的、師匠のひみつなどが複雑に絡みあう展開はとても楽しんで読めました。名前すら明かされない探偵役な座間味くんを筆頭に、登場人物がみんなキャラが立ってるのもポイント。クローズトサークルの設定にハイジャックを用いたのも素晴らしい発明ですね。
今思うと動機設定に若干無理があったかなという気もしますが、物語のテンションが高くて読んでる間は全く気にならなかったよ(;゚ー゚)。