高殿円「カーリー」

父親の仕事の都合で訪れた英国領インド、ヴィクトリア時代の面影が残るこの国の寄宿制の女学校で、わたしはカーリーガードとであった。美しいオニキスの瞳を持つわたしのともだち。彼女は、遠い異国の地でわたしが出会った、わたしの運命そのものだった。
縦ロールのいじめっ子、真夜中のお茶会、口うるさい先生、そしてわたしの大切な友人、みたいな女子寄宿舎ものかと思ってたのですが、世界の動きに翻弄される少女の成長物語でした。それはそれでとても面白いし続きも気になるのですが、寄宿舎ものに徹してもよかったような気がします。