長谷敏司「円環少女1バベル再臨」

円環少女 (角川スニーカー文庫)

円環少女 (角川スニーカー文庫)

2005年下半期2位ということで読んでみました。決してロリサドデレに惹かれたわけではありません。
円環大系世界から何がしかの罪で魔法が存在しないこの世界<地獄>にやってきて、贖罪のために敵対魔導師と戦うメイゼル(サドデレな12歳)。その面倒を見つつニセ教師かつ戦場の相棒役をこなす武原仁の二人を主人公にした魔法バトルもの。
いくつもの魔法大系の緻密な設定、読みにくいながらもテンション高いバトル描写、それぞれの目的と戦う理由が複雑に交錯する終盤、仁がメイゼルに学校で家庭で振り回される日常描写、全てが高いクオリティで混在してやたらと密度の高い作品になってます。これは凄い!傑作かどうかはわからないけど怪作であることは間違いないです!
続刊でどういう方向性に行くのかわからないけど、どういう方向性に行ってもこの密度の高さは落ちることはないでしょう。冲方丁「マルドゥックスクランブル」をファンタジーにして萌えを強化したらこの作品になるのかな、なんてことを思いました。
あたしが強くなって、せんせが心配なんかしなくていいように屈服させてあげるから。せんせは毎日、あたしが作った料理を、あたしの手から食べていくの」これが噂のロリサドデレ・・・。えーと、ノーコメントとしときましょう(;・∀・)。