小林泰三「海を見る人」

海を見る人 (ハヤカワ文庫 JA)

海を見る人 (ハヤカワ文庫 JA)

ガチなSF短編集。初小林泰三です。
さすがに電卓片手に計算式書きながら読書する癖はないので(w、物理的な整合性とかは気にせず不思議なファンタジー世界の話として読みました。なんとなく場景ぐらいは浮かぶけど。
時間の進み方が違う世界の少年と少女の恋、美しい世界観、そして悲劇・・な表題作「海を見る人」、宇宙船国家間の戦争を止める独裁者と敵国に迷い込んだ少女・カリヤの悲劇を書いた「独裁者の掟」、物理的な整合性を満たした(らしい)奇妙で歪な世界を舞台にした少年の冒険譚「時計の中のレンズ」が特に気に入りました。どの話も面白いけど、完全なハッピーエンドを迎える話が見事なまでに一つもないというのはなかなか凄いと思いましたw
ホラーもかなり書いてるみたいなので、そっちも読んでみよう*1

*1:年内に、程度に思ってくれw