米澤穂信「さよなら妖精」
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
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ミステリとしてはかなり弱いけど、青春小説としてのよさと萌えが高い次元で両立していて物凄い傑作になってます。
模糊とした記憶の中に、いくつか鮮明なシーンがある。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。いま思い出した、あの人は美しかった。だがなぜそれを今まで忘れていたかといえば、あの人はその姿よりも価値のあるものを見せてくれたからだ。
何事にも熱くなれず、ただ流れ行く日々に漠然とした不満を抱いていた主人公・守屋にとって、明確な方向性を持ち困難な目標に力強く進んでいくマーヤは、自分をここではないどこかに連れてってくれる妖精だったでしょう。物語後半で書かれる守屋の想い、気持ち、そして無力感には、なんだか必要以上に感情移入してしまいますwこういう結末ならなおのこと、マーヤのためにも守屋はユーゴスラヴィアに行くべきなのでは(ネタバレ)とも思います。
(´-`).。oO(どうでもいいが、俺にとってユーゴスラヴィアの妖精といえばストイコビッチだ)