加納朋子「虹の家のアリス」

虹の家のアリス (文春文庫)

虹の家のアリス (文春文庫)

脱サラ探偵な仁木と押しかけ美少女助手の安梨沙の活躍を書いた、「螺旋階段のアリス」の続編。6編収録の短編集。期待通りのクオリティでした(期待以上ではない)。
どの話も”家族”がテーマになってるのかな。「牢の家のアリス」「猫の家のアリス」あたりは結構嫌な話なんだけど、それでも読後感が悪くならないというのはさすが。「幻の家のアリス」から仁木や亜里沙とその家族の話になっていきます。それにしても、このシリーズは登場人物が結婚するオチが多すぎだw
安梨沙がただの萌えキャラではなく、悩みと意思と芯の強さを持った人間として描かれてるのもポイント。「私はもう、人が見たいものが映る鏡でいるのは、やめたの」この作品に限った話じゃないけど、加納朋子のこういう姿勢はかなり気に入ってます。
「鏡の家のアリス」で、ものすごい勢いでミスリーディングに引っかかったので記念カキコ。