麻耶雄嵩「あいにくの雨で」

あいにくの雨で (講談社文庫)

あいにくの雨で (講談社文庫)

なんだかいつもの麻耶とは感じ違うなぁ、なんて思って読んでたらやっぱりいつもの麻耶でした(;´Д`)。なんて殺伐とした高校生活なんだ・・・。
田舎に住む高校三年生な如月烏兎(うと)は親友の祐今と獅子丸と共に遭い虚の塔に忍び込んで死体を発見する。やがて、それは祐今の家族を対象とした連続殺人事件になって・・・。追い詰められて焦燥した祐今を前にして、烏兎と獅子丸は犯人を捜すことにする。みたいな感じなのですが、その間に挟まれる烏兎と獅子丸が所属する生徒会の諜報活動と派閥争いのパワーゲームも含めて、物凄く殺伐とした冷たい雰囲気が漂ってます。
そして最終章。ガラガラと音を立てて崩れていく烏兎の高校生活とそれなりに楽しかった日常・・・。安っぽい救いとは無縁の冷え冷えとしたラストに麻耶らしさを感じた作品でした。