大凹友数「ゴーレム×ガールズ」
- 作者: 大凹友数,KEI
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 文庫
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高校に入ってから一年間、ぼくはいじめの標的にならないように、他人の視線を避け、擬態する昆虫のように目立たない生活をしてきた。そんなぼくの日課は、唯一同じ中学から来た、そして唯一ぼくのことを知ってる乾さんを図書館の窓から眺めることだった*1。乾さんがイケメンと一緒に帰るところを目撃して絶望したぼくは、古本屋で見つけた躁形学の本を頼りに、『人形の彼女(ゴーレム)』を作った。
序盤だけでは「キモイ小説だな」程度の印象しかなかったけど、終盤の盛り上がりはかなり良かったです。錬金術で人に近い存在を作るのに倫理的な配慮が全くないところはどうかと思うけど*2、ネガティブなだけの主人公に乾さんが惹かれる理由も一応あるし、主人公が鬱なのも必要条件になってるし、かなり自覚的に練られたストーリーであることが伺えます。
この作品は、本田透が言うところのキモイ系文学の一つの方向性を示してるのでしょうw