桜坂洋「スラムオンライン」

スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))

これはオサレなＳＦ風青春小説ですね。

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僕は坂上悦郎からテツオになる。

半引きこもりネトゲ廃人気味な悦郎の大学生活やメガネっ娘な彼女との青猫探しで構成されるリアルと、オンラインの対戦型格闘ゲームで最強を真摯に目指すテツオのバーチャルな戦いとで、リアルとアンリアルの相対化をするというのは面白い試みですね。それによって主人公に自分の立ち居地を探させる青春小説に仕上げるという発想が素晴らしいです。俺がこういう話好きだってのもあるけど、今じゃゲームをあまりやらないのに、悦郎には物凄く感情移入をしてしまうｗ
スタイリッシュな格闘ゲーム描写もいい感じです。
しかし、ファーストフードで笑顔を売れる布美子さんはこんなゲーオタ半ヒッキーのどこに惹かれたのですかね。