桜庭一樹「少女には向かない職業」

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

中学二年の一年間で、あたし、大西葵十三歳は人を二人殺した。
夏休みにひとり。それと、冬休みにもうひとり。
武器はひとつめのときは悪意で、もうひとつめのときはバトルアックスだった。それであたしが思ったのは、殺人者というのはつくづく、少女には向かない職業だということだ。

田舎暮らしの不幸な少女二人が生きるために戦う話で、「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」と対になる作品なのでしょう。個人的には、「砂糖菓子〜」のほうが好きですが、本作の方が洗練されてるとは思います。
相変わらず、女の子の一人称と内面描写が見事です。葵ちゃんがいろいろと自覚的なのがいい感じです。
しかし、これまでの作品も別に同人誌で出してたわけじゃないのだから「初の一般向け」と煽るのはちょっとどうかと。ライトノベルを読む人は一般人じゃないのかYO！そんな偏見で面白い作品を読み逃すぐらいなら、一般人の称号なんていらねーよ*1。・・・取り乱しちゃいましたね。御無礼しました。
あとがきがないのが物凄く残念ですねｗ

*1:近いうちに、この区別事態に意味がなくなるでしょう