日日日「狂乱家族日記弐さつめ」

狂乱家族日記弐さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記弐さつめ (ファミ通文庫)

脛に傷を持つものが家族になってうんぬんな、馬鹿馬鹿しくも温かい愛と絆と狂乱の物語*1だそうです。細かいことを気にしなければ普通に出来がいいコメディなのですが、ただのコメディじゃなくてそれなりに重いテーマを書こうとしてるので、やはり細かいことがどうしても気になってしまいます。
やっぱり一番引っかかるのは宴の解決方法ですね。それはさすがにピエールがかわいそうだし、ハッピーエンド扱いなのは微妙に納得がいかないのですが・・・。
結局のところ、重いテーマとコメディ展開が内部矛盾してるんですよね。自己尊厳に関する主張もしゃべ○場を思わせる青臭いものだし*2、テーマを十分に扱いきれてるとは思えません。作者の若さが悪いほうに出てるような気がします。
あいかわらず文章もうまいしキャラ立ても見事なんだけど、自分の主張を作品にこめるには何かが足りないのかも知れませんね。

*1:背表紙より

*2:ちなみに、日日日は10代