東野圭吾「時生」

時生 (講談社文庫)

時生 (講談社文庫)

褒めるべきポイントがほとんどないような・・・。
不治の病を患う息子に訪れた最後のとき。少年の父親、宮元拓実は妻に向かってある告白をする。「俺は20年以上前、息子である時生に合ってるんだ」そして語られる時生と拓実の過去――まさにそれ以上でもそれ以下でもありません。えーと、ミステリ作家ならもう一捻りあってもいいかと(;´Д`)。
積極的に楽しめなかった原因として拓実に感情移入できなかったというのがまず挙げられます。滝本竜彦の書く引きこもり系のダメ人間には割りと共感できたのですが、こいつ(拓実)はDQNヒモ系なんですよ。俺とは別世界の人ですねw なので、主人公の行動がいちいち俺の理解の範外で、読む人が読めば感動するであろうシーンも安っぽい説教としか思えませんでした。それでいて、ストーリー展開も読め読めじゃ、ダメ出しもしたくなりますよ。