恩田陸「六番目の小夜子」

六番目の小夜子 (新潮文庫)

この作品に高い評価をつけるとしたらホラーでもミステリでもなく青春小説としてみた場合でしょうね。
「サヨコ伝説」なるものがある地方の公立進学高を舞台にして、謎の転校生・津村小夜子や六番目となる「今年のサヨコ」がこの作品のミステリとしての焦点になります。でも、正直それはどうでもよくて、高校生活最後の一年間にノスタルジーを感じながら読むのが正しい読み方でしょう。というか、俺はそう読んだ。
ネタバレせずにこれ以上語るのは無理ですが、悪くはないですね。新刊じゃないんで積極的には薦めませんが、高校生活にノスタルジーを感じる程度には大人な人は読んで損はないと思いますよ。