麻耶雄嵩「鴉」

鴉 (幻冬舎文庫)

鴉 (幻冬舎文庫)

すげぇ〜。
弟・襾鈴(あべる)の死、その真相を求めて兄・珂允(かいん)が訪れたのは地図に載っていない村だった。外界と隔離された現人神の治める村で珂允を迎えたのは鴉の大群と謎の連続殺人事件・・・。
何が凄いって、丁寧に構築された禍々しい世界で起こる鬱々とした殺人事件の真相も凄いのですが、メルカトルによる世界と珂允(=読者)の精神世界の崩壊は本当に凄い。音を立てて崩れていくってのかこういうことを言うんだよ!的な。この大崩壊はある意味美しいとまで言い切ってもいいのではないしょーか。
でもちょっと伏線が分かりにくいところもあるかもしれません。初読の感想が(゜Д゜)ハァ?で読み直すまでよくわからなかったよ。