倉知淳「ほうかご探偵隊」

ほうかご探偵隊 (ミステリーランド)

とっても面白い。めずらしくハードカバーで買った価値がありました。

クラス全員分が壁に張り出された状態から１枚だけ消えた絵、密室の飼育小屋から消失したニワトリ、ハリボテのダサい招き猫、僕の笛の真ん中の部分・・・。五年三組で起る連続不要物消失事件の四番目の被害者になってしまった僕は、江戸川乱歩好きの龍之介くんと一緒に探偵活動をする。ちょっと気になる女の子も加わって、密室からの消失となった２番目のニワトリ消失事件を中心にいろいろ調べてみると・・・

倉知淳の軽妙な語り口が小学生らしさをこれ以上ないくらい表現していて、それでいてしっかりとした本格テイスト＋大胆な伏線という要素が背反せずに存在する本作。僕が倉知淳に求めるものの８割はこの作品にあります*1。丁寧なミスリーディングと最後まで２転３転する展開といい、まったく素晴らしい。後味も悪くなく(倉知淳だから当然か)、「かつて子供だったあなたと少年少女のための」なんて銘打たれたミステリーランドにぴったりの人選なのではないでしょうか。

まさにエンターテイメント！

*1:残りの２割は猫丸先輩の語りと萌え