加納朋子「螺旋階段のアリス」

早期退職者優遇制度を利用して何十年も勤めた大企業を辞め、憧れの私立探偵になった仁木順平と、閑古鳥の鳴く探偵事務所に押しかけ助手になった美少女・安梨沙が客の持ち込む不思議な依頼を解決していく日常ミステリな連作短編。
うーん、そんなに感心しませんでした。安梨沙は凄ぇ萌えますが(*´Д`*) ハァハァ 、それとこれとは話は別です。”ミステリとして”イマイチ。ダメだしすらしてもいいかもしれません。謎や回答がショボくなるのは日常ミステリの常で、だからこそ作家にはセンスのいい伏線の処理が求められるのですが、いくつかの話で伏線が十分に描写されてないので真相が唐突に思えてしまう。懐古主義は大っ嫌いですが、昔の作品のほうがロジックはちゃんとしてるような気がします。加納朋子はただのいい話を作るだけの作家じゃないと思いたいのでここで言ったことはちと厳しめかもしれません。
やたらとロマンチストな日常ミステリ作家・加納朋子の中でもかなり極まった作品なので(特に男が)これからいきなり読むのはお薦めできませんね。